
こんにちは、クラミル代表の朝倉です。
本日の投稿は、「ローコスト住宅」と「省エネ高規格住宅」の比較です。住宅としての性能は当然ローコスト住宅より優れているのは誰もが理解していると思います。皆さんが知りたいのは、住宅コストに見合った性能なのか、コスパに優れているのかということではないでしょうか?今回はその視点から深掘りしたいと思います。
まずは建設コストの比較から

ローコスト住宅と省エネ高規格住宅との見積もり価格を比べると、まずその価格差に驚きます。約500万円から1000万円くらいの差があったとしてもまったく不思議ではありません。
建物の仕様的な違いは、窓サッシや外壁といった外部の断熱性能や、太陽光発電・蓄電池などの省エネルギー設備の有無、あとは耐震性や災害に対する強度に寄与する構造の違いなどでしょう。
この段階で多くの方は「高っ!!」と判断し、ローコスト住宅を選択しがちです。でも、賢い方はここからもう1段階深掘りして、本質を見極めようとします。早合点せずに皆さんもこの方式で頑張って汗をかいてみましょう。
『ライフサイクルコスト』で比較するべし!!

こういった『氷山』に例えた図を見たことあると思います。水面より上に現れているのが現在、水面下が将来建物が傷んでくることから支払いが必要となる修理費や日々生活する上で消費する光熱費などを表現したものです。
近年の日本の住宅は、これまでのスクラップビルドを繰り返してきた反省から、「省エネ高規格住宅」は建物の寿命を少なくとも60年程度は持つように考えられた仕様になっています。さらにメンテナンスをちゃんと行えば100年3世代に引き継がれていける住宅が今後の主流となってきています。
一方、「ローコスト住宅」はコストを抑えたものなので、耐久性は重要視されてません。それよりもコストです。両者の断熱性能にも当然差が生じ、それは光熱費となって反映されます。そういったことから、水面下の氷の大きさはローコスト住宅の方が大きくなるというものです。
住宅は建てた後にかかる費用を予測計上した上でのトータルコストで比較しましょうというものです。これを『ライフサイクルコスト』と言います。
見た目(見積り価格)の安さに惑わされない

上の図は、ローコスト住宅のライフサイクルコスト(波線)を省エネ高規格住宅に重ね合わせてみました。すると、建築費用の差額を水面下(建ててからのコスト)の費用が上回ることがわかりますよね。もちろんこの比較は一般的なものです。
注意が必要なのは、建築費用の比較だけで、ローコストが安いからといって飛びつかないことです。最近では大手ハウスメーカーなら60年のメンテナンスコストなどを提示することが多くなってます。【建築費+60年メンテナンスコスト=ライフサイクルコスト】を念頭に建てた後のかかるコストをしっかり考慮して比較することが肝要ですね。
まとめ

ローコスト住宅と省エネ高規格住宅、とても悩ましい選択です。建物の品質だけを比べれば省エネ高規格住宅が良いに決まっています。そんなことは誰でもわかります。でも、見積り金額の違いをみると目先の価格差で冷静さを失ってしまうでしょう。よほどの信念がないと無理です。
しかもここ数年の物価高により、ローコスト住宅も価格高騰の波には抗えずローコストと言えないぐらい上がっています。かつてほど安くないんですよ。もちろん省エネ高規格住宅も当然上がってます。つい価格の安いローコスト住宅に走りがちです。
建築してから20数年ほどで、建てては壊すスクラップビルドを繰り返してきた我が国日本。その時代に生まれた言葉『住宅は耐久消費財』は、ひと昔前の発想です。住宅は家具家電とは違い『長期保有の投資』です。
時代の要求からきているものは、利便性・快適性だけではありません。世界的規模での潮流である『脱炭素』の要求は、実は住宅分野が担う責任も非常に大きいです。これからの良い住宅の指標は、建ててから住宅を使わなくなるまでの生涯にかかる費用をトータルした『ライフサイクルコスト』がとても重要なんですね。
中古住宅のマーケットにおいても、早くからヨーロッパの不動産業界では、断熱性能などの環境負荷の少ない住宅が価格に反映され高額で取引きされるようになっています。日本の不動産市場もそうなりつつあります。
結論として、イニシャル(建築コスト)だけのコスト比較は意味がありません。ライフルサイクルコストまでのトータルで比較すれば、結局、「省エネ高規格住宅が安い」ということになります。
新築時の目先のイニシャルコストに惑わされないないよう、しっかり比較を行うことが自己防衛に必ず繋がってきます。【安物買いの銭失い】にならないよう気を付けて参りましょう。
