
こんにちは、クラミル代表の朝倉です。
さて、本日の投稿内容は、「吸音・遮音・防音」についてです。似たような用語なので混同しがちなのが、このトリオ。
室内の反響を抑えるのが「吸音」。音の侵入や漏れを防ぐのが「遮音」。そして吸音と遮音を組み合わせて外部からの音の侵入や、外部への漏れを抑えるのが「防音」です。
防音は特殊な工事ではありません。「配慮」「心配り」です。トイレ横の寝室、リビング横の寝室、玄関横のトイレなどなど、結構配慮が必要なケースも住宅設計において必ず直面します。
音の性質を理解する。

特に配慮しなければならないのが、トイレでの排泄音、空調機器の機械音。テレビやオーディオの音響などなど、家庭での騒音は避けられないものが存在します。
それでもできるだけ防ぎたいものです。発生音の種類によって効果的な壁の構成が実はあります。本例であれば、その室の用途によって壁材の組み合わせを変えたりすることが必要な場合もあります。その為には、吸音・遮音・防音という性質を理解することが重要です。
吸音:音を吸う?

音を吸う?という表現がわかりにくくしているかもしれません。吸音とは、音の反射・反響を防ぐことです。吸音材といっても種類があります。上に挙げた吸音材は主に音楽室やスタジオなどで使う素材です。
特にスタジオは演奏だけでなく、録音も行うので、反響を抑えたいです。吸音材がしっかり効いた部屋に身を置くと「無音」を実現することも可能です。
内装の仕上げ材だと、カーテン・カーペットなども非常に効果があります。ちなみに、私たち人間も吸音するので吸音材の一種ですよ。
遮音:音を遮ります。

遮音は音を遮断して、音の通り抜けを防ぐというものです。遮音材として最も重要な特性は「密」であることです。重くて密なもので想像できるのが、コンクリート。
遮音材としてはこれがコスト・取扱いなどの性質を考えると最適ではないでしょうか。しかし、鉄筋コンクリート造でなければその素材を使うのは難しいです。
なので、軽量な遮音材としては加工が容易なゴムマットがお勧めです。そういった理由から、木造・鉄骨造などの防音工事では欠かせない遮音材となっています。
防音=吸音+遮音です。

防音は、吸音と遮音を組み合わせて、外部の音が室内に入ったり、室内の音が外部に漏れたりすることを防ぐことです。
防音室の壁の構成(順番)として、音の発生源に面した部分に吸音材を設置して反響を防ぎ、その下に遮音材を設置して音を遮るのが良いです。
防音室の出入り口

これまでの内容を参考に、しっかりと吸音・遮音対策をした防音室ですが、出入り口のドアの使用も通常のものでは、せっかくの防音室も「穴が空いた」も同然という状態です。
最終的な仕上げとして、遮音性を高めた専用の防音ドアが必要です。遮音性は気密性でもあります。ドアとドア枠の設置面には遮音パッキンやドア自体をドア枠に押し付ける役割のグレモン錠などで「エアタイト仕様」にしてしっかりと音漏れを防ぎましょう。
また、換気についても単独室で成立しないといけないので、他の部屋と分けた単独の換気計画が必要となります。
こういった換気計画を含めた遮音工事は突き詰めれば突き詰めるほど、お金がかかります。そういったことから、音楽スタジオなど特殊なケースは住宅と切り離して、庭があればコンテナのような箱の中に設置する計画に変更するのも良いかもしれません。大事なのは「費用対効果」です。
以上、「No Music No Life」がモットーの朝倉でした。それでは。
