
そもそも手抜き工事って何だ?
こんにちは、クラミル代表の朝倉です。
さて、本日の投稿内容は、「手抜き工事」について。私が知っている「手抜き工事」は、したくてやってる業者はほとんどいないってことだと認識しています。
内容としては、技術的な「無知」からくる慣習・慣行によるものや、中には請負金額の見込み違いからの「工程省略」という仕方のない(作り手にとって)ものがほとんどでしょう。
ただ、理由はどうであれ、「手抜き工事」は看過できません。重要なのは、ハウスメーカーが会社ぐるみでこの問題に、撲滅できるよう真摯に取り組んでいるかが重要です。その視点から考察してみましょう。
基礎工事の現場を見るとわかりやすいよ

上の写真を見てみましょう。これ、木造在来工法の基礎のものです。アンカーボルトが傾いてますね。それだけではなく、基礎の芯からも大きくズレていますね。
この後に土台と柱が設置されますが、こういった施工レベルが先ほどのスライド写真の結果を招きます。②は基礎から露出しているアンカーを台直しすれば良いです。根元は基礎心に沿っているので。
しかし、①なら、こんな基礎が自分の自宅だったらと思うと「激怒レベル」を超えて「解約」レベルです。4寸角(幅120ミリ)の土台を据えた時に、これだと土台芯から大きくずれることになります。地震などの大きな力が加わった時に、土台は破断するリスクがかなり高まります。
でも、これを見ても正直驚きません。意外に結構存在するからです。この要因は、「田植え」というやり方を行なっているからです。
昔ながらの、基礎コンクリートを打設した直後のコンクリートが柔らかいうちに、アンカーボルトを田植えのように差し込むことで、今時やってるのは珍しいです。アンカーボルトの頭が傾いてるのは、アンカーの根元部分が基礎内部の鉄筋と干渉しているからです。

これは、ある大手ハウスメーカー(軽量鉄骨造)の基礎の施施工中の写真です。コンクリーを流し込む前の状態ですね。テンプレート(型板)と呼ばれるものにアンカーボルトが固定されているのがわかります。
これを使用することでコンクリート型枠の中心位置と3本のアンカーボルト間の距離とボルトの傾きの3つが固定されるのがメリットです。先ほどの手抜き工事と比べて格段の良い施工精度が確保できます。
基礎と上屋の接点はアンカーボルトしかありません。この接点であるアンカーボルトが正確で強固でないと力がうまく伝達できません。アンカーボルトの施工精度がキモなんですよ。
やはり、大手ハウスメーカーは、基礎業者にその重要性をしっかり伝えるだけでなく、チェックする体制がしっかりしていますね。こういったところが地場の工務店との差でもあるんですね(もちろんちゃんとしている工務店もあります)。

先ほどの基礎現場写真の完成したものがこれです。真ん中の柱のアンカーボルトと外壁パネルを支えるアンカーボルトとの距離もキッチリ確保し、基礎上部に記された芯墨(しんずみ)を見ると基礎通りにちゃんと設置されていることがわかります。
先ほどのテンプレートを用いたり、施工制度が求められるアンカーボルトの先組(さきぐみ)など「ひと手間」かけた施工によって大きく品質に直結することがわかりますね。
やはり、建築現場は行きあたりばったりの職人任せの施工ではダメなことがわかります。完成をしっかりイメージして1つ1つの作業を丁寧に手間を惜しまずにやることが重要なんですね。
施工品質を追求すると工場品質になります。

現代の企業は特にものづくりのスタンスが問われています。コンプライアンスを軽視した企業はことごとく市場から退場させられます。
建築は人が現場で行うものとされてきたこの住宅業界、本当にクレーム産業です。そのクレームの要因は品質によるものがほとんどです。
職人の腕、技術、感、否定するつもりはありません。素晴らしい技術を持った職人さんを何度も目にして一緒にお仕事もしました。でも職人さんの腕や気候・天候に左右される品質はやはり避けないといけません。

大手ハウスメーカーの工場では、機械化が進んでいるのでロボットが溶接やボルト締め、ビス留めなどを高精度に行なっています。また現場なら足場を使っての高所作業や垂直作業を行うところを、工場では外壁パネルや室内パネルを寝かせて水平作業で行えるのです。
しかも隠蔽される壁パネルの工程においては製品の品番ごとに写真を撮影して、万が一のクレームにも遡って証明・対応できるようにしていたりします。
そういった意味で、施工品質の行き着くところは、「完璧な作業」が可能となる工場での工業化なんですね。素晴らしいです。
大手ハウスメーカーが進めている工業化住宅は、現段階において住宅完成までの全行程のうち約70~80%を工場内での生産で行われています。
大手ハウスメーカーは全国に一律高品質な住宅を提供することが求められるので、この流れは正解ですね。住宅価格が高いと言われる大手ハウスメーカーですが、こういった設備環境を整えることは、とても地場の工務店にはできないことです。住宅価格が高くなるのも納得します。

この流れは品質を確保する上では正しい流れと言えるでしょう。消費者は、住宅と安心を合わせて購入するということだからです。
というわけで、大手ハウスメーカーはその工場生産率の高さから「手抜き工事」は行われにくいということでした。それと、できるだけハウスメーカーを決める際には、現場を確認しましょう。できれば施工者目線で見れる人を同行させるのが良いですね。それでは、また。
