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「役物」ってなんですか?

「役物」ってなんですか?

2025.6.21

こんにちは、クラミル代表の朝倉です。

さて、本日の投稿内容は、「役物:やくもの」について。あまり聞いたことないワードですね。建築専門用語で、コーナー部分に使われる部材のことです。

「コストを安く抑えるにはどうしたらいい?」という質問に、真っ先に出てくるのが「四角いシンプルな箱」を作ること、という答えが挙げられます。その理由は、角を減らすことにあります。

そのコーナー部分に使われるものが、今回の「役物」です。ではその角にはどんなものがあるのでしょうか。今回はその役物に焦点を当てて考えてみます。

 タイル外壁の事例 

上の写真はタイル外壁の事例です。使われる部位によって名称が違います。一般部に貼られるものは「真物:まもの」と呼ばれ、コーナーのものは「役物:やくもの」と呼ばれます。

よくタイルカタログの価格表に掲載されている、1㎡あたり⚪︎⚪︎円というのがこの「真物」の価格です。役物は1mあたり⚪︎⚪︎円といった違う単位で、それよりもかなり割高に設定されています。この例は、タイルだけでなく、サイディング外壁にも共通しています。

 サイディング外壁の事例 

こちらは、サイディング外壁の事例写真ですが、先ほどのタイル外壁と同じように、外壁の隅角部に役物サイディングを使用しています。これも役物の方が割高の価格設定をされているのが一般的です。

鉄骨造や木造の場合、地震などの横揺れの力が加わった際に、建物は多少変形します。その力が建物の平面形のX軸とY軸の隅角部に歪みが生じます。それを多少なり(ほんのわずかですが)とも抑えてくれる役割もあります。

 バッドケースです。 

これが役物を使用していない隅角部です。真物だけで構成された隅角部は、X軸とY軸の真物の壁剤の接点にコーキング(シーリング材)のみで構成されているので、建物の変形に追従できずコーキング切れを引き起こします。

また、10年〜15年くらいの長期間、紫外線に晒されると、コーキング材は劣化します。そうなるとコーキング材にひび割れが生じ、そこから雨水の侵入が始まり、漏水や構造材の腐食に発展します。

どうしても、役物はコスト高になるので、こういった部分で手抜きをする業者もたまに見かけます。このような隅角部に役物を使用しないハウスメーカーは信用しない方が良いでしょう。

サイディング外壁の事例(独立柱)

こちらの写真は、サイディング外壁の事例ですが、玄関ポーチでよく見かける独立柱(どくりつばしら)に役物サイディングを貼った物です。

これが割高なんですね。その理由として、柱には4つの角が存在しますが、その角ずつに計4つの役物サイディングを貼っているからです。写真は2本の独立柱なので8つの役物サイディングを貼っているのでかなり割高になるプランです。

コーナーが多いと割高になる事例

上の図面の住宅は、ほぼ三角形に近い敷地で、敷地形状に沿った平面計画を行った建物です。コストを意識した建物なら4隅+αで済みますが、このプランは11もの角があるプランになりました。

もちろん、コストは大幅にアップしましたが、敷地形状を有効に生かすために割り切った設計を行っています。こういった特殊な事情がない限り、できるだけ角を少なくした「経済設計」を心がけたいですね。

できるだけ、コーナーを減らした事例

ほぼ真四角の平面プランです。玄関部分をへこましたので、コーナー2と3が出現しましたが、これは外観デザインと出入り口に雨が降り込まないような配慮をした結果です。

先ほどのものに比べるとかなり隅角部が抑えられた、経済設計がなされたプランです。コスト面ではかなり有利に働きます。

 役物は外壁だけじゃないよ 

役物タイルは外回りだけじゃありません。内装にだって存在します。上の写真は洗面シンクをタイルで作成した事例です。

このように通常役物と隅角部の1点にだけ貼る役物もあります。こうなるとかなり割高になりますが、まぁ、これはデザイン上仕方のないものかもしれません。

こういったことで、外装・内装問わずに、建築建材は真物・役物がかなりの数が存在します。大事なのが、コスト優先なのか、デザイン優先なのかです。

見積もり段階になって、価格を抑えたい場合は、設計担当にこのあたり(ディテール仕様)を尋ねることをお勧めします。

これだけの検証だけで、数万円のコストダウン、もしくはそれ以上のコストダウンに繋がるかもしれません。以上、「役物ってなんですか?」でした。それでは。