こんにちは、クラミル代表の朝倉です。本日の投稿は住宅の『軒(のき)』についてです。軒は雨を防ぐためだけではありません。窓から差し込んでくる太陽の日射量を軒の長さによってコントロールできるのです。
差し込んでくる日差しを調整することにより、冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるようになります。すなわち、光熱費を大幅に削減できることに繋がってきます。いくつかの事例を交えて検証して参ります。
冬至と夏至の太陽高度の違い

この図は夏至・冬至の日の、日の出から日の入りまでの太陽の1日の動きを表したものです。東京においては、夏至の南中時の角度が約78°となり、冬至の日では、かなり高度が低く、南中時の角度は約30°となります。
夏至と冬至とでは、太陽高度の差は、実に48°もあるんですね。また日照時間においては夏至と冬至とでは5時間50分も差があります。非常に大きな差に驚かされます。
軒の出の違いによる検証

最初に「軒のない」住宅で検証します。軒のない住宅では、冬至の日の太陽高度は約30°と低い為、冬にはしっかりと陽が差し込んできますね。一方、夏至の日ではどうでしょうか。
軒がない為に、南側のガラス面の全面が直射光が当たることにより室内の気温上昇はかなりで空調に大きな負荷がかかることになります(真夏のガラスの表面温度は50°程度まで上昇します)。

次に、軒の出を450mmにした場合です。わずか450mmですが、夏場の熱い日差しが窓ガラスに当たっているのがサッシ下部分のみとなることがわかりました。
先ほどの軒のない住宅と比べると影響はかなり軽減されそうです。最低でも450mmくらいは欲しいところですね。

最後に、軒の出を900mmにした住宅です。個人的には、これがベストだと考えています。理由は、この軒の出により、冬には暖かな日差しが差し込んで来る邪魔をせずに、夏には熱い日差しをしっかり遮ってくれます。
もうひとつのメリットとして、これだけ軒の出があると、風を伴わない雨天の時には窓を開けても、室内に雨が降り込んでこないので換気などが行えることです。
都心部においては、なかなか深い軒を出すことは難しいですが、敷地の建物周囲に余裕があれば、絶対に軒は深めにすることをお勧めします。
またデザイン上も、軒を出すことにより水平ラインを強調でき、落ち着きが出ることによる高級感も増してきます。

いかがでしたか。冬の太陽高度が低い時には、暖かい日差しを室内に引き入れつつ、真夏の熱い日差しはしっかり防ぐ。こんな素晴らしい『軒』という空調機器があるんですね。
しかも一度設置すれば電気代というランニングコストもかかりません。写真のように、さらに深い軒を設置すれば、雨天時でも、のんびり雨の風景と雨音を感じることができます。
今回は軒にフォーカスしましたが、庇(ひさし)も同様です。また折りたたみ式のオーニングなどもありますね。ぜひ注文住宅をご検討の際の参考にしてみては。それでは。
